オーバーホールを行う前に知っておきたい6つのポイント

Six points you want to know before overhauling.

特に初めてオーバーホールを行う場合は不安な点が多いと思う。そのような人にオーバーホールを行う前に知っておきたい6つのポイントを紹介する。お気に入りのロレックスを末永く使用できるように、このページを精読して適切なオーバーホールを行おう。

オーバーホールを行う前に知っておきたい6つのポイント

オーバーホールの基本を押さえておく

大きなトラブルになる前にオーバーホールで予防する

「ロレックスは一生使えるの時計」といわれているが、それはきちんとしたメンテナンスを続けてこそ言える。使用した後はきちんと拭くなど日々の清掃や取り扱いに気を付けるのは当然のこと。そしてさらに必要なことは定期的なオーバーホール。長い間使い続けたいのであればオーバーホールはロレックスの必要事項と考えたい

というのも、ロレックスを何年も使っているとムーブメントの潤滑油が乾燥し、歯車がスムーズに動かなくなる。そのまま使っていると、内部のギアなどの部品の摩耗が進み、動かなくなったり正しい時間を指示さなくなったりと大きなトラブルが起こりやすくなる。そのようなトラブルを避けるためにオーバーホールを行って、常にベストなコンディションを維持することが必要。

オーバーホールを定期的に実施するため保証書などの書類を大切に

オーバーホールを定期的に実施するため保証書などの書類を大切に

オーバーホールは3~5年ごとに行いたいが、前回のオーバーホール時期がいつだったかわからなくなることもある。そのような場合に便利なのが、購入時にもらった保証書や前回オーバーホール時の納品書。

購入時にもらった保証書には購入年月日が、オーバーホール時の納品書には作業完了日が明記されている。それを見れば次回予定日も算出できるので、捨てずに大切に保管しよう。ロレックスの他にも時計を複数本所有している人は、時計ケースと一緒に収納しておくと、どの書類がどの時計の物か判別が容易になるはずだ。

もちろん、保証書やオーバーホール時の納品書はロレックスを売却時にも持っておきたいもの。ロレックスを購入したら時計だけを大切にするのではなく、購入時にもらった一式を大切にしておきたい

万が一時計に水が入ったらすぐに修理業者に連絡を

万が一時計に水が入ったらすぐに修理業者に連絡を

何らかのトラブルでロレックスの内部に水が侵入したら即時に修理業者に相談する。水が入った旨を連絡すれば、水抜きや乾燥など適切な処置を講じてくれるはずだ。

とくに中に入ったのが海水の場合、たった一日でも内部にサビが発生してしまう。被害は時間経過と共に拡大するので、すずに修理業者へ相談しよう。内部機械に錆が浮くと被害は甚大なので早急に。

オーバーホールはどこまでやってくれるのか

ケースやブレス、ガラスに付いた傷などどの程度まで落とせるのかも理解しておこう

ケースやブレス、ガラスに付いた傷などどの程度まで落とせるのかも理解しておこう

ロレックスのオーバーホール時には簡単な傷なら消してくれる。しかしながら研磨で傷を落とすということは、表面を傷の深さまで削って修復するということなので、溝ができるほど深い傷の場合の研磨は不可能。

ロレックスは何度も研磨することを前提に肉厚にできているが、何度も削っていたり深く削ったりするとケースの形がいびつになるし、ブレスもピンが抜けやすくなってしまう。傷を落とせるのは「表面に薄く付いたカスリ傷」程度だと覚えておこう。

風防の傷の場合は、ケースの傷とは状況が異なる。風防がプラスチック製なら研磨することもできるが、現在のロレックスで採用されている風防はサファイアクリスタル。この場合は残念ながら傷落としは不可。風防ごと部品交換するしか方法はない。

あと、防水パッキンのように経年劣化する部品はオーバーホールのたびに交換する。ロレックスは他の機械式時計に比べて頑丈だが、それでも防水パッキンなどは定期的な交換が必要。これを行わないと、ちょっとした水でも浸水しやすくなり、ロレックス内部に多大なるダメージを与えてしまう。

オーバーホールの頻度

オーバーホールの頻度

あまり使っていなくてもオーバーホールの頻度は同じ

オーバーホールの一番の目的は、内部の状態を確認し劣化した潤滑油を新しくしてあげること。ロレックスがスムーズに動き続けるために潤滑油は不可欠だが、これは使用頻度にかかわらず、時期が経てば潤滑油が自然と干上がり劣化してしまう。つまりロレックスをあまり使用していなくても、定期的にオーバーホールしなくてはならないのだ。仮に4~5年の間ずっと使わずに保管していた場合でも、使い始める前にはオーバーホールが必要

逆にサブマリーナなどはマリンスポーツで使用する前提で作られているので、サブマリーナを着用したまま海で潜水するなど時計に負担がかかる使い方が多くても、日々のメンテナンスをきちんとしておけば、オーバーホールの頻度を増やす必要はない

オーバーホールは定期的に行う

オーバーホールは3~5年に一度、実施することが望ましい。これは潤滑油が5年前後で干上がってしまうから。もともとロレックスは頑丈なため、メンテナンスを怠っても動いてしまうが、オーバーホールを行わずに長い間使い続けるのは不可能。油が切れた歯車は擦れて摩耗して動きにくくなり、その負担が他の部分にかかって致命的な故障になってしまうのだ。

インターネットでオーバーホールを依頼する際の注意点

郵送する際は汚れを落としておく

オーバーホールを依頼した場合はケースやブレスレットなども洗浄してもらえるから……と、日々のメンテナンスを怠たった状態のままロレックスをオーバーホールなどに出そうと思っていたらやめておいたほうがいい。郵送する場合には特に危険。たとえば、海水や汗など塩分を含んだ水気がロレックスに残っていた場合、発送にかかる数日程度でも錆やカビが発生してしまうこともあるからだ。

大都市同士や近郊からの配送なら、基本的にはそれほど日数はかからないはずだが、不測の事態は起こりうるもの。付着した汚れは発送の前に専用のクロスなどできちんと落としてから発送しよう。

郵送時には壊れないように注意する

郵送時には壊れないように注意する

近年は配送業者のサービスの質も上がっているので壊れやすい旨を記載しておけば、郵送の際に強い衝撃で内容物を壊してしまうことはほとんどないが、やはり大切な時計なので緩衝材などで丁寧に包んで郵送しよう。良心的な業者であれば、オーバーホール見積もりを依頼するとロレックスを入れて配送できる専用の箱を送ってくれるので、それに入れて送るといい

修理を依頼する際は「いつから」「どこが」「どうなっている」など期間や症状を具体的にメッセージで

修理を依頼する際は「いつから」「どこが」「どうなっている」など期間や症状を具体的にメッセージで

不具合があって持ち込まれた時計は、プロの修理技術者が点検と分解をするので、その原因は特に説明されなくても判明するもの。しかしながら「ダイビングに行ってから精度が遅れる」など、トラブル要因のヒントを提供すれば、より作業しやすくなる。不具合がある場合は簡単なメモ書き程度でよいので、メッセージにしてロレックスに添えておこう。インターネットで申し込んだ場合は、その旨を申し込み時に記載するか、業者とのメールのやり取り時に記載しておこう。

研磨作業はケースの傷などを味や思い出として残しておきたい場合など作業が不要なら申し込み時に依頼

研磨は、オーバーホールの基本工程に含まれる場合とオプションの場合があるので、不要な際はまずそれを確認。後者の場合は頼まなければ問題ないし、前者の場合もその旨を伝えれば大丈夫だ。研磨をしない前者の場合でも、基本料金は変わらないので注意。研磨は「オーバーホールに付随した顧客サービス」として実施される例も多いので、その有無は料金とは無関係となっているからだ。

なお、研磨はケースを削って綺麗にする作業なので、研磨を行いすぎるとケースの強度が落ちていく。そのため、研磨ができない場合もあるということも知っておこう。

また、アンティークロレックスのオリジナリティを大切にするため、あえて傷を残し研磨しないという選択をすることもある。このあたりは、要求に対応してくれるかどうかを事前に修理業者に確認しておくといい。

オーバーホールの見積もりについて

オーバーホールの見積もりについて

見積もりに納得いかない場合はキャンセルできる

オーバーホールを依頼するとすぐにオーバーホールを開始するのではなく、まずはロレックスの内部の状態を見たうえで見積もりを出してくれる。そして、内部の状態によって価格が上がる場合もある。とはいえ、定期的なオーバーホールを行っているうえで、動きがおかしかったり、止まっていたり、目に見える大きな破損があった場合を除き、ほとんどが基本料金ぐらいでオーバーホールは可能。

ただ、外からはわからないトラブルがあった場合など、オーバーホールの見積もり金額が自分の思っていた金額とかけ離れていたら、キャンセルもできる。ただし、見積り時に裏蓋を開けて、部品の摩耗や経年劣化などもきちんと検証した場合、分解作業の実費として、数千円のキャンセル料が発生するのが一般的だ。もちろん、キャンセル料がかからない業者もあるが、その場合でも返送費は必要なところがほとんど。

見積もりが出たら、原則として7日以内に返事をする

オーバーホールや修理を依頼すると、数日後には詳細な見積もりが出る。作業はそれに承認の返事をして初めて開始されるので、連絡は速やかに行おう。

通常は1週間返事がないと、電話やメールで問い合わせが来るはず。それでも返事をしないと、自宅などへロレックスが返送される業者も。いったん返送されると、作業は最初の点検へ再スタートとなるので要注意。

見積もりは必ず確認する

「どのパーツを交換するつもりか」「いくら費用がかかりそうか」を事前に知っておくためにも、オーバーホールの見積もりはきちんと確認しておこう。オーバーホールの見積もり時には合計金額の他に、どれぐらいの期間がかかるのか、何がいくらかかるのか詳細が記載されているところがほとんど。自分のロレックスがどのような不具合があるか、どのパーツが傷んでいるかなどこの時点で把握できる。自分が思ってもいない箇所の不具合が見つかる場合もあり、金額もそれに応じて変わってくるため必ず見積もりは確認しておこう。

オーバーホールはどれぐらいの期間が必要か

オーバーホールはどれぐらいの期間が必要か

「1週間以内で……」など無理なオーダーは控えよう

「オーバーホールの期間は長すぎる。何とか短くならないものか」と注文をする人もいるが、これは無理な相談。オーバーホールに3~4週間など一定期間を要するのは「作業の順番待ち」をしているからではない。正しく正確にロレックスをオーバーホールするために定められたマニュアルに沿って分解や洗浄などの作業や、精度や耐久性などの各種検査を厳格に何重にも行なっているため。

実際、専用の機器でロレックスを開封して全パーツを分解するのに、ベテラン職人の手にかかれば十数分で済むが、その後のオーバーホールにはそれなりの時間が必要であるし、精度の確認など最後のチェックには1週間ほどかけてじっくり高精度に仕上げるもの。そのため期間を短縮することは原則不可。なぜ一定期間が必要かをよく理解して、無理な注文は控えるようにしよう。

なお、お盆や年末年始の時期など、休みが多く営業日が少ない場合は通常より仕上げ期間がかかる場合があるので注意すること。

まとめ

他の時計ブランドでは何十年もメンテナンスをしていないと、パッキンがドロドロに溶けていることもあるが、ロレックスは太いパッキンを使用しているため、そんな状態はそう多くない。またパーペチュアル機構の切り替え車は、プロの時計技術者からも絶賛されるぐらいレベルが高い。

しかし、ロレックスの高い耐久性を過信して、オーバーホールを行っていない人も多い。オイスターケースは頑丈だから外装は美しいままであっても、裏蓋を開けてびっくりというパターンもある。3~5年ごとにオーバーホールをしていれば、こんな状態に陥ることもない。ロレックスを末永く愛用したいなら、定期的にオーバーホールを行おう。

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