サブマリーナなどのダイバーズウォッチのメンテナンス方法

Maintenance method of diver's watch such as sub mariner

ダイバーズウォッチは通常の時計よりも防水性能が優れているが、その優れた防止性能もしっかりとしたメンテナンスを行ってこそ。ここではサブマリーナなどのダイバーズウォッチのメンテナンスについて紹介する。

サブマリーナなどのダイバーズウォッチのメンテナンス方法

ロレックスのダイバーズウォッチとはいえメンテナンスは必要

サブマリーナ

ロレックスのダイバーズウォッチ代表といえるのがサブマリーナ。それまでは腕時計にとって水は天敵だったが、1926年にロレックスがオイスターケースの特許を取得して防水性能がある時計を作り、世界初のダイバーズウォッチとして生まれたのがサブマリーナ。その後様々に進化し、現在のサブマリーナやシードゥエラーへと続いている。

参考:ロレックスのダイバーズウォッチとその防水性能

モデル名 防水性能
(参考)エクスプローラー 100m
サブマリーナ・サブマリーナデイト 300m
シードゥエラー4000  1220m
ディープシー 3900m

このサブマリーナは高級感と堅牢性を兼ね揃えている非常に人気の高いモデルで、ダイバーズウォッチとしてカテゴライズされているため、水や汗に強くアウトドアや海でも存分に使いこなせるイメージが強い。確かに300メートル防水で非常に防水性が高く堅牢な構造をしているのだが、精密機械であることに変わりはない。

特にサブマリーナの場合、ロレックスの頑丈なイメージとダイバーズウォッチということもあり、どうしても雑な使い方をしてしまうだけでなく、使用後のメンテナンスもおろそかになってしまいがち。そうなると、機械式腕時計の中でも頑丈な部類のサブマリーナとはいえども、その優れた本来の性能は発揮できなくなってしまう。

一方で、日々しっかりと手入れを行っていれば、長く愛用できる時計でもあるため、日々のメンテナンスやオーバーホールをしっかりと行いたい

特に注意すべき点

海で使った後のメンテナンスには特別なケアが必要

海

サブマリーナなどのダイバーズウォッチは海でも使用できるのが特徴だが、実際に海で使用すると多くの場合、塩分や砂、雑菌などが付着してしまう。また、たとえ海水に触れなくても潮風やそれに舞い上げられた微少な砂によって塩分や水分が付着することも。

これらの付着物はセーム側などのクロスで軽く拭いただけでは落とし切れず、肉眼では確認しづらいため汚れが残った状態のままそのままにしてしまいがち。

そのまま放置すると、錆だけでなく異臭を発したり装着する腕のトラブル原因にもなったりするので、海での使用の際は「海に行く時の注意点」を参考にするとともに、以下の特別なメンテナンスを忘れずに行なうことが大切。

  1. 水を入れた洗面器に時計を浸し、全体の汚れをそっと手で取り除く
  2. ブラシでベゼルやブレス(特にコマの間やバックル裏)など細部を丁寧に清掃
  3. クロスで水気を拭い、風通しの良い場所で乾燥

リューズの閉め忘れに注意

基本的にサブマリーナの取り扱いについての注意すべき点は、他のロレックスとそう変わらないが、意外に多いのがリューズの締め忘れによる水入りトラブル。特に防水性能が高いので、朝リューズを巻いた後に閉め忘れた状態で手洗いや洗面してしまい取り返しのつかないことに。

一度時計内部に水が入ってしまうと、その水分が時計内部の錆を引き起こす原因となってしまう。

リューズを開けっ放しにしておいても水分が完全に抜けていくことはないので、修理業者に依頼する以外の方法はない。もちろん費用もそれなりの金額。そうならないようにリューズは必ず閉めることを徹底すること。

水が入った場合の修理料金の目安 31,500円~(オーバーホール費用として)

詳しくは「故障例と修理費用の一例」を参考に

ダイバーズウォッチはオーバーホール依頼先にも気を付けておきたい

サブマリーナなどのダイバーズウォッチは、通常の使用であれば10気圧程度の防水性でも十分だが、本格的なダイビングなどに使用する場合は、オーバーホール先を十分に検討する必要がある。

というのもオーバーホールの際、20気圧以上の防水テストは特殊機器が必要なため、正規店である日本ロレックスであれば問題ないが、普通の時計修理店では対応できない場合も。

そのため、ダイビングなどに使用するのであればオーバーホールの依頼時にはその旨を確認しておくこと。なお、オーバーホールの業者選びについては「オーバーホールや修理はどんなところに依頼したらよいか」を参考に。

アンティークサブマリーナを使用する際には注意が必要

ロレックスのダイバーズウォッチは高い防水機能を誇る高性能な時計ではあるが、どんなに高性能でも年月が経つにつれてパーツが劣化し、それとともに防水性能も徐々に低下していく。

特にアンティークのサブマリーナは高い人気を誇るが、アンティークモデルでは経年によるケースの摩耗などが原因で、オーバーホール時にパッキンを新しいものに変えても防水性能が新品時と同様には戻らない場合もある。

特に経年数が多いダイバーズウォッチは新品と同じ感覚でダイビングに使用するのは非常に危険

パーツごとのポイント

ベゼル

回転ベゼル

サブマリーナの回転ベゼルは高い硬度を誇るセラミックを使用した逆回転防止ベゼルを装備しており、対傷性が高いのが特徴。そのため、外側からの傷にはある程度の強さを発揮するが、弱点もある。回転ベゼルは回転する機能を持っているため、ベゼルとケースの間に非常にわずかな隙間が存在する。そうしたわずかな隙間に非常に細かい塵やホコリが入り込んでしまうこともある。

通常であれば塵やホコリの量は非常に少ないので特に意識することはないが、何年もしっかりとしたメンテナンスを行わずに使用を続けると、表面的には綺麗でも隙間に溜まった塵やホコリが原因で回転しづらくなっていく

こうなった状態で無理にベゼルを操作すると、逆回転防止のはずなのにどちらにも回ってしまったり、ケースを傷つけたりすることもある。回転ベゼルが動かなくなったら無理に動かさず修理業者に依頼すること。

また、逆回転防止ベゼルにはバネが入っていて、逆回転を防止する構造になっている。このバネも経年劣化により壊れてしまうこともあるので、そうなった場合にも業者に依頼することが必要。

回転ベゼルが突然回しにくくなったら

ダイバーズウォッチには回転ベゼルが回しにくくなるなどの操作不良がたまに起こる。そんな時の対処法は以下の通り。

  1. ベゼルをそっと押しながら回してみる。大抵の汚れは回転させる動作である程度取れる。
  2. それでも回転できない場合や回転が重い場合は隙間を丁寧にブラッシングする。

それでも改善しないのであれば、原因は内部機構とも考えられる。このような場合は無理に動かすと時計に傷がついてしまったり、部品を損傷させてしまったりするので、こうなってしまったら無理に動かしてどうにかするのではなく、修理業者に修理を依頼すること。

リューズ

時計内部に水が入ってしまう主な箇所がリューズ。リューズや回転ベゼルはダイバーズウォッチに欠かすことのできない重要な機構で、動かす機会も多い箇所。そのため、摩耗も激しく長い時間使い続けることによってネジ山が摩耗して緩んでしまうと、しっかり締めたつもりでも、水がケースに侵入する危険性が格段に高まる。

水入りという深刻な事態に至らなくても、巻芯が内部のムーヴメントを削ってしまうこともケースもある。リューズを巻いている際に操作に違和感があるのであればすぐに使用を中止して、時計修理店に相談すること。

さらにダイバーズウォッチはパッキン部分にも考慮しておく点がある。ダイバーズウォッチでは防水性を高めるためにリューズ部分にもパッキンがある。パッキンについては後述するが、この劣化にも注意したい

パッキン

モデルにもよるが、多くのダイバーズウォッチはネジ込み式リューズの内部や裏ブタ、そしてケースの隙間にゴムのパッキンを使用しており、これによって防水性を高めている。とはいえ、ゴムは永続的に使えるものではなく、経年劣化によって劣化し徐々にその機能を果たさなくなる。

裏ブタのパッキンは自分で開けたりしない限り目にすることはなく、劣化に気が付きにくい。一般的にパッキンに使われているゴムの性能をキープするためには3年程度での交換が適切。

とくにダイバーズウォッチは防水性能が高いイメージがあるが、それは定期的にオーバーホールを行っていて防水性能をキープしていてからこその防水性能。オーバーホールを長い間行っていないのであれば、経年により防水性能が劣化している可能性が高いことを把握しておき、時計の性能を過信しないこと。

まとめ

ダイバーズウォッチは通常の時計と同様にしっかりと日々のメンテナンスを行うだけでなく、防水性能を維持するためには数年ごとのオーバーホールによって防水性能を維持することが大切。通常のメンテナンスについては、「毎日のお手入れ方法」で紹介しているので参考に。

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