軟鉄製インナーケースをオイスターケースの中に収納した二重構造により、1000ガウス(フランス語読みでミルガウス)もの耐磁性を発揮。
20年の時を経て2007年に復活したとき、初代ミルガウスのレアポイントだったイナズマ針をオレンジ色で復刻して話題となった。インナーケースがねじ込み式となり、耐衝撃性も向上している。
ミルガウスの魅力
ロレックスが革命家といわれる理由はこのモデルに秘められる
1950年代に医師などの職業、極地冒険、それらのために開発された対磁機能を搭載したロレックスの革命的モデル。それがミルガウス。このモデルのベースになっているのはロレックスの定番とも言えるエクスプローラーである。
モデルによっては驚くべきことに、現在でも達成困難な1000エルステッドまでの防磁を達成している。ロレックスは自然界では存在しない特殊な境下にも耐えるというスペックを"特殊な職業"向けという限定で生産している。
それは同時に"時間"という要素に通常の生活以上の重要性を感じる人間にロレックスが支持されていたひとつの証明である。そしてそのニーズに応える。それはつまり、ロレックスが革命家といわれる理由にもなっている。
現代社会にこそ威力を発揮する真の耐磁時計
ミルガウスは、2007年に約18年もの歳月を経て復活を遂げた異色モデルだ。その名前の由来は、フランス語で1000を意味するミルと磁束密度を示す単位ガウスから作られた造語から付けられた。
そのオリジナルが最初に開発されたのは1953年のことで、磁場の高い環境下で働いているレントゲン技師や無線技師など、特殊な職業に従事している人向けに、1000ガウスもの対磁性能を備えた腕時計として開発されたのが始まりだ。
しかし、その特殊性のためか販売自体はふるわなかったようで、1989年には一旦生産を終了している。
パーツ類はミルガウス専用に作られているものも多い
Ref.116400
Ref.116400となり、1000ガウスという耐磁性は変わらないものの、パーツ類はミルガウス専用に作られるようになった。ムーブメントは軟鉄製の耐磁シールドケースが覆い、それに対応した肉厚のケース、そしてそのケースに合わせて作られたブレスも専用のものだ。
また、モデルは微妙に違う2種類が展開されている。なかでも人気なのが記念モデルとしのRef.116400GVである。人気の秘密はロレックスのコーポレートカラーであるグリーンをあしらった特殊なサファイアガラス風防が使われている点だ。
この色はかなりの技術力を要するもので、最初の頃は日本のメーカーに依頼して作らせていたと言われている。特別感があり、シンプルながらもそれなりに存在感があるなど魅力は多い。
ミルガウスの定価とスペック
モデル名 | REF. | ケース | ベゼル | 定価 |
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ミルガウス | 116400GV | オイスター 40mm オイスタースチール | スムース | \1,085,700 |
現行モデル
ミルガウス Ref.116400GV
価格(2022年10月時点) | ¥1,085,700 |
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リファレンス | 116400GV |
ケース形状 | オイスター |
ケースの大きさ | 40mm |
ケース素材 | オイスタースチール |
ベゼル | スムース |
防水性能 | 100 m/330 フィート防水 |
ムーブメント | パーペチュアル・機械式・自動巻・ムーブメントを保護する磁気シールド |
キャリバー | 3131・ロレックスによる完全自社製造 |
パワーリザーブ | 約48時間 |
ブレスレット | オイスター(3 列リンク) |
ダイアル | ブラック・Zブルー |
認定 | 高精度クロノメーター (COSC、ケーシング後にロレックス認定) |
旧モデル
Ref.6541
初代イナズマ針といえばこのモデル
1958年に誕生した初代モデル。秒針がジグザグになっていることから、通称「イナズマ針」と呼ばれる。美品なら1000万円を超えるプレミア価格がつくことも。偽物も多いので注意。
Ref.1019
ベゼル固定の2代目
初代モデルは回転ベゼル仕様と固定ベゼル仕様が存在したが、2台目は固定タイプに一本化。1980年後半まで30年近く生産されたため、同じ1019でもディテールの微差は多い。
Ref.116400GV
復活のアニバーサリーモデル。
Ref.1019の生産終了からおよそ20年の中断期間を経て復活したミルガウスのアニバーサリーモデル。初代レアモデルのレアポイントであるイナズマ針が鮮烈なオレンジで蘇った。