世界中に愛用者やコレクターを持つ絶大な人気を誇るデイトナ。高級腕時計の中でも群を抜く圧倒的な人気の理由は、その高いクオリティと圧倒的なデザインによるもの。誕生以来、男心を刺激してやまないデイトナは、永遠の王者だ。
デイトナ基本スペック
Ref.116500LN
2016年にモデルチェンジした傑作レーシングモデルのクロノグラフ。堅牢なオイスターケースに今回より採用されたロレックス開発のブラックセラミック製べゼルを備える。モデルチェンジは16年ぶりとなり、第6世代のデイトナとなる。
過去のモデルは黒文字盤が人気だったが、このモデルでは1965年のプラスチックべゼルモデルRef.6264のオマージュである白文字盤×黒縁インダイアルのほうが高い人気を誇る。
ムーブメントは自動巻高精度クロノメーターの自社Cal.4130を搭載。
価格(2022年10月時点) | ¥1,720,400 |
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リファレンス | 116500LN |
ケース形状 | オイスター |
ケースの大きさ | 40mm |
ケース素材 | オイスタースチール |
ベゼル | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・タキメーター |
防水性能 | 100 m/330 フィート防水 |
ムーブメント | パーペチュアル・機械式クロノグラフ・自動巻 |
キャリバー | 4130・ロレックスによる完全自社製造 |
パワーリザーブ | 約72時間 |
ブレスレット | オイスター(3 列リンク) |
ダイアル | ホワイト・ブラック |
認定 | 高精度クロノメーター (COSC、ケーシング後にロレックス認定) |
デイトナの魅力
ロレックス唯一のクロノグラフモデル
1960年代前半に、「宇宙」と「モータースポーツ」という2つの夢をその名に託して誕生したクロノグラフのデイトナ。正式名称は「オイスターパーペチュアル・コスモグラフ・デイトナ」。多くの著名人が愛用する時計でもある。
72時間のパワーリザーブ
72時間のパワーリザーブを誇る自動巻きムーブメントを採用。そのため2日ほど装着しなくても止まることはない。また、時刻合わせに便利な秒針が止まるハック機能も搭載していて非常に便利。
資産価値も高い
世界で最も有名なクロノグラフであるデイトナは、資産価値もトップクラス。正規店では常に在庫不足となっている。
一般的に並行店は正規価格より安く販売しているのだが、デイトナだけは別格で、並行店では正規価格よりも高い価格で販売されていることがほとんど。欲しいと思っても定価で買えることは非常に稀だ。一方、売りに出したい場合も買取時の査定価格が非常に高く、圧倒的な資産価値を誇っている。
並行店での価格(116500LNホワイトモデルの場合)
※正規店価格 1,720,400円 (2022年10月時点)
店名 | 並行店価格 |
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かめ吉 | 5,286,640円 |
トキオカ本店 | 5,022,000円 |
ブランドストアーST | 5,250,000円 |
GMT | 5,692,000円 |
ジャックロード | 4,977,600円 |
※2022年10月楽天市場内で調査した結果
旧モデルから変更された点
Ref.116500LN
ベゼルがセラミックベゼルに
1965年製プラスチックべゼル仕様の手巻きデイトナRef.6264にオマージュを捧げるべく、2016年に登場したステンレススチールデイトナ。
スペックは以前のモデルとほぼ同じだが、スチールべゼルからセラミックべゼルになったことが大きな違い。特許取得のセラミック製モノブロックべゼルは、サブマリーナーやGMTマスター2のベゼルは表面だけセラミック製だが、デイトナはベゼル全体がセラミック製。耐スクラッチ性能が大幅に向上し、ベゼルは傷がつきやすいものだが、ロレックスが独自に開発した耐食性と耐久性に優れるハイテクセラミックが傷からベゼルを守ってくれる。
外観の印象が若干変化しており、ブラックダイヤルはセラミックべゼルなので、フェイス全体が黒っぽい印象に。なお、従来のステンレススチールべゼルモデルは生産終了。
タキメーターのフォントも変更
デイトナのベゼルにはタキメーターという目盛りが刻まれている。これはクロノグラフと併用して車などの平均時速を測定するためのもの。このタキメーター、今回のデイトナではタキメーターのフォントも大きく変更され、100km/hまでは細かく刻まれている。なお、セラクロムのベゼルだけでなく、ゴールドべゼルの書体も変更されている。
ムーブメントは精度基準を変更
デイトナだけでなく2016年からロレックスの全モデルが「ロレックス高精度クロノメーター」に準拠したため、精度基準が変わっている。厶ーブメント自体に変更はないが、日差が±2秒に。
リファレンスの変更
それまでデイトナのステンレススチールとイエローゴールドモデルのリファレンス4桁目と5桁目は52系だったが50系に変更になっている。デイトナステンレススチールモデルのリファレンスはRef.116500LNとなった。なお、レザーストラップのモデルもあり、こちらのリファレンスは51系となっている。
デイトナステンレススチールモデルリファレンス
- 第4世代 Ref.16520
- 第5世代 Ref.116520
- 第6世代 Ref.116500LN
コスモグラフデイトナの定価とスペック
モデル名 | REF. | ケース | ベゼル | 定価 |
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コスモグラフ デイトナ | 116500LN | オイスター 40mm オイスタースチール | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・タキメーター | \1,720,400 |
コスモグラフ デイトナ | 116503 | オイスター 40mm オイスタースチール&イエローゴールド | 固定式・刻印されたタキメーター・イエローゴールド | \2,132,900 |
コスモグラフ デイトナ | 116515LN | オイスター 40mm エバーローズゴールド | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・タキメーター | \3,628,900 |
コスモグラフ デイトナ | 116518LN | オイスター 40mm イエローゴールド | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・タキメーター | \3,989,700 |
コスモグラフ デイトナ | 116519LN | オイスター 40mm ホワイトゴールド | ブラックのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・タキメーター | \4,152,500 |
コスモグラフ デイトナ | 116508 | オイスター 40mm イエローゴールド | 固定式・刻印されたタキメーター・18ct イエローゴールド | \4,701,400 |
コスモグラフ デイトナ | 116509 | オイスター 40mm ホワイトゴールド | 固定式・刻印されたタキメーター・18ct ホワイトゴールド | \4,801,500 |
コスモグラフ デイトナ | 116505 | オイスター 40mm エバーローズゴールド | 固定式・タキメーター・18ct エバーローズゴールド | ASK |
コスモグラフ デイトナ | 116506 | オイスター 40mm プラチナ | チェスナットブラウンのセラミック製モノブロック セラクロムベゼル・数字と目盛り入り | ASK |
現行モデル
デイトナ Ref.116503
モデル | Ref.116503 |
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ダイヤル | ホワイト |
ケース素材 | スチール&イエローゴールド |
ブレス素材 | スチール&イエローゴールド |
ベゼル | イエローゴールド |
ケース径 | 40mm |
重量 | 160g |
定価 | ¥1,786,400(2019年12月時点) |
デイトナ Ref.116508
モデル | Ref.116508 |
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ダイヤル | シャンパン |
ケース素材 | イエローゴールド |
ブレス素材 | イエローゴールド |
ベゼル | イエローゴールド |
ケース径 | 40mm |
重量 | 205g |
定価 | ¥3,674,000(2019年12月時点) |
デイトナ Ref.116509
モデル | Ref.116509 |
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ダイヤル | ホワイトブラックインダイヤル |
ケース素材 | ホワイトゴールド |
ブレス素材 | ホワイトゴールド |
ベゼル | ホワイトゴールド |
ケース径 | 40mm |
重量 | 205g |
定価 | ¥3,962,200(2019年12月時点) |
デイトナ Ref.116505
モデル | Ref.116505 |
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ダイヤル | アイボリー |
ケース素材 | エバーローズゴールド |
ブレス素材 | エバーローズゴールド |
ベゼル | エバーローズゴールド |
ケース径 | 40mm |
重量 | 205g |
定価 | ¥4,628,800(2019年12月時点) |
デイトナ Ref.116506
モデル | Ref.116506 |
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ダイヤル | アイスブルー |
ケース素材 | プラチナ |
ブレス素材 | プラチナ |
ベゼル | セラクロム |
ケース径 | 40mm |
重量 | 285g |
定価 | ¥7,936,500(2019年12月時点) |
旧モデル
Ref.6239/Ref.6241(第1世代モデル)
1960年代前半に登場したコスモグラフ・デイトナ
コスモグラフ・デイトナが正式に登場したのは1960年代前半。いわゆる初代デイトナであるステンレスベゼルのRef.6239と、プラスチックベゼルのRef.6241があった。
べゼルにスピード測定用のタキメーターを刻み、インダイアルのカラーリングを反転させたこのモデルは、レーシングクロノグラフとしてのイメージを確固たるものとした。このモデルは通称デイトナと呼ばれるようになってゆく。搭載ムーブメントはCal.72BまたはCal.722-1。手巻き式でプッシュボタンは非ねじ込み式。
Ref.6262/Ref.6264(第2世代モデル)
傑作と名高いバルジューのCal.727を搭載
精度と耐久性に優れたバルジューCal.727を搭載した第2世代。ステンレスベセルのRef.6262とプラスチックベゼルのRef.6264があり、こちらはステンレスベゼルのモデル。。振動幅が毎時1万8000振動から毎時2万1600振動へとハイビート化し、精度も向上した。生産期間が短かいモデルなので、流通量は少なめ。
Ref.6264はベゼルがプラスチック。プラスチックはステンレススチールに比べて耐久性が劣るので、生産量の少なさも相まって非常に希少性の高いモデルとなっている。
Ref.6265/Ref.6263(第3世代モデル)
Ref.6265
ねじ込み式プッシュボタン採用により完全防水に
1970年にプッシュボタンがねじ込み式になったRef.6265とRef.6263が誕生。このモデルで手巻きデイトナは生産終了。最終型にあたるこのRef.6263とRef.6265でプッシャーに防水処理を施し、名称もオイスター・コスモグラフ・デイトナとなった。
ステンレスベゼルのRef.6265には、黒文字盤に白目玉のバリエーションも存在していた。ムーブメントは前モデル同様のCal.727。Ref.6263はベゼルがプラスチック製。手巻きデイトナの最終型として絶大な人気を誇っている。
Ref.16520(第4世代モデル)
Ref.16520
手巻きから自動巻きへとムーブメントが変更
手巻き式のデイトナが1987年に生産中止となり、翌年の1988年に自動巻きのデイトナが登場する。同時にクロノメーター規格となった。インダイヤルに縁取りが施され、リューズガードが装備されるなど、デザイン面も大きく変わった。
ムーブメントはゼニス製のエルプリメロをロレックス独自の改良を加えたCal.4030を搭載。パワーリザーブは52時間と大きく進化した。
Ref.116520(第5世代モデル)
Ref.116520
初めてロレックス自社開発ムーブメントを搭載したデイトナ
2000年から2016年まで生産されたRef.116520は自社開発の自動巻きクロノグラフムーブメントCal.4130を搭載。このクロノメーターは最新デイトナ116500LNと同じものだ。現代的な自動巻きクロノグラフの基準機と呼べる存在ともいえるだろう。
ハック機能に加えパワーリザーブ72時間を誇る。スモールセコンドと12時間計のインダイアルが逆となっていることやインダイアルの配置位置が異なる点、インデックスの太さの違いなど旧デイトナとの外見上の変更点も見られる。
ちなみに、旧型となっても中古相場は一向に値下がる気配がみられない。買取時でも高い価格が提示されるモデルでもある。
デイトナの歴史
1930代よりクロノグラフの製作を始める
ロレックスがクロノグラフの製作を始めたのは1930代のことだった。黎明期の頃は、クロノグラフムーブメントの専門メーカーだったバルジュー社製Cal.22などを搭載した2つ目のクロノグラフだった。このころは文字盤デザインやケース形状なども多種多様を極めていた。
この2つ目クロノから3つ目に移行していくのが1940年代後半から1950年代にかけてで、バルジュー社の3カウンタータイプ、Cal.72系が登場してからだった。
デイトナの前身といわれるRef.6238
Ref.6238
1950年代後半に登場したRef.6238は、初代デイトナと同一のバルジュー製キャリバーを搭載しており、デイトナの前身ともいわれている。
第1世代のRef.6239
1960年代に入りRef.6239が誕生。ようやくロレックスのクロノグラフは、コスモグラフ・デイトナとして結実していった。
それまでのクロノグラフとの大きな違いは、ベゼルにタキメーター目盛りが刻まれたこと。そしてインダイヤルの色が文字盤の色と異なる2トーンダイヤルになったことだ。このようにデイトナの基本デザインは、ほぼ当初から確立されていた。
1960年代半ばになると、ムーブメントはより精度と耐久性に優れたバルジュー727に変更される。その後、デイトナが自動巻きになるまでの約20年間にわたって採用され続けたことからも、このムーブメントが、いかに信頼性の高い傑作品だったかが分かるだろう。
ねじ込み式プッシュボタンを採用した第3世代のデイトナRef.6265
1970年にはねじ込み式プッシュボタンを採用した第3世代のRef.6265が登場し、防水性能は30mから50mへと向上した。
ダイヤルにも初めて"OYSTER"の文字が記された。この手巻きデイトナが生産中止となったのが翌年。さらに翌年には自動巻きとしてリニューアルされるのだが、これをきっかけに世界中で旧デイトナを追いかける騒ぎが勃発し、デイトナブームが一気に過熱する。
Ref.16520自動巻きモデルの誕生
Ref.16520
新たに登場した自動巻きモデルには、世界最高峰メカとして名高いゼニス社のエル・プリメロをベースに自社で改良を施したキャリバー4030が搭載された。
このムーブメント変更に伴い、デザインや各ディテールも大幅に進化し、防水性や耐久性の向上が図られた。三重の安全装置を組み込んだトリプルロック式リューズの採用により、防水性能も水深100mへとアップしている。
Ref.116520でついに自社開発クロノグラフを搭載
Ref.116520
2000年に時計業界の話題をさらったのが、ロレックスの自社開発クロノグラフムーブメントの発表だった。こうして自社キャリバー4130を搭載した新型デイトナが誕生。その後も"レパード"モデルなど多彩なバリエーションが存在している。
デイトナの変遷表
年代 | 特徴 |
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1950年代後期 |
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1963年~(第一世代) |
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1970年代前期(第二世代) |
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1970年代後期(第三世代) |
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1988年(第四世代) |
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2000年(第五世代) |
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