どんなに状態が良いロレックスであっても、ムーブメント内の油は経年変化で汚れ、粘りが出たり揮発してしまう。故障や狂いがないからといって、オーバーホールを怠るとパーツは磨耗し、確実に腕時計自体の寿命を縮めてしまう。磨耗したパーツを交換するとなると、オーバーホールの倍以上の料金がかかることもあり、そういったことも含めて定期的なオーバーホールは必要不可欠な作業だといえる。
オーバーホールとは
オーバーホールとは、定期的に時計を分解して点検・修理・清掃を行なうこと。言うなれば、クルマの車検のようなものだ。
時計のオーバーホールは、車検と違って義務的に定められたものではないが、どんなに調子が良くとも3~4年に一度は必ず行なうべき。なぜなら、オーバーホールには、古い油を除去し新しい油を注油するという機械式腕時計に必要不可欠な作業が含まれるからだ。
そのままにしておくと、パーツ交換が必要になりオーバーホールの倍の料金がかかることも
どんなに状態が良い時計でも、ムーブメント内の油は経年変化で汚れ、粘りが出たり揮発してしまう。故障や狂いがないからといって、オーバーホールを怠るとパーツは磨耗し、確実にロレックス自体の寿命を縮めてしまう。
磨耗したパーツを交換するとなると、オーバーホールの倍以上の料金がかかることもあり、そういったことも含めて定期的なオーバーホールは必要不可欠な作業だといえる。
ロレックスのオーバーホールが高額な理由
ロレックスのオーバーホールはいったん時計を分解して各部品の状態を確認したうえで、洗浄や研磨のし直し、不具合の部品の交換などを行い、改めて元の状態に戻す。つまり、一から時計を組み立てなおす以上の手間がかかる。
機械が複雑になるほどオーバーホールの作業も複雑かつ長時間を要することになり、状態によっては、スイスに送って作業しなくてはならないものもある。それだけ大変な作業なので、どうしても相応の価格になってしまう。
日本ロレックスのオーバーホール基本技術料的な価格の比較
モデル | Ref. | 基本技術料(税別) |
---|---|---|
デイトナ | Ref.116500LN | ¥60,000 |
デイトナ | Ref.116520 | ¥60,000 |
デイトナ | Ref.16520 | ¥60,000 |
エクスプローラーI | Ref.214270 | ¥43,000 |
エクスプローラーI | Ref.114270 | ¥43,000 |
エクスプローラーI | Ref.14270 | ¥43,000 |
エクスプローラーⅡ | Ref.216570 | ¥45,000 |
エクスプローラーⅡ | Ref.16570 | ¥45,000 |
GMTマスター | Ref.116710 | ¥45,000 |
GMTマスター | Ref.16710 | ¥45,000 |
GMTマスター | Ref.16700 | ¥45,000 |
サブマリーナー | Ref.114060 | ¥44,000 |
サブマリーナー | Ref.14060M | ¥44,000 |
サブマリーナー | Ref.14060 | ¥44,000 |
サブマリーナーデイ卜 | Ref.116610 | ¥45,000 |
サブマリーナーデイ卜 | Ref.16610 | ¥45,000 |
シードゥェラー | Ref.116600 | ¥45,000 |
サブマリーナーデイ卜 | Ref.16600 | ¥45,000 |
ディープシー | Ref.116660 | ¥55,000 |
ヨッ卜マスター | Ref.116622 | ¥45,000 |
ヨッ卜マスター | Ref.16622 | ¥45,000 |
ヨッ卜マスターⅡ | Ref.116680 | ¥80,000 |
ミルガウス | Ref.116400GV | ¥45,000 |
ミルガウス | Ref.116400 | ¥45,000 |
デイ卜ジャス卜36 | Ref.116200 | ¥44,000 |
デイ卜ジャス卜36 | Ref.16200など | ¥44,000 |
デイデイ卜36 | Ref.118238 | ¥55,000 |
デイデイ卜36 | Ref.18238など | ¥55,000 |
スカイドゥェラー | Ref.326938 | ¥90,000 |
スカイドゥェラー | Ref.326135など | ¥90,000 |
※内部の状態によっては部品代金が別途加算されます
オーバーホールは末永く付き合っていくために絶対に必要
定期的なオーバーホールこそ、愛用のロレックスと末永く付き合っていくためには絶対に欠かすことのできない作業。ただ、「オーバーホールの費用は高い」と考えている人がいるとしたら、そんな人こそ、オーバーホールとは一体どんなことをするのか、どのような作業を経由して自分の手元に戻ってくるのかぜひ知っておくべきだ。知ればオーバーホールがいかに手間と時間がかかるのかがよくわかる。
精密機械である高級時計は購入した後の付き合い方が最も重要。トラブルを未然に防ぐためにもオーバーホールを依頼してみてはどうだろう。
オーバーホール依頼から完了までの流れ
オーバーホールの依頼先を決める
オーバーホールの依頼先へ連絡。基本的には購入店か日本ロレックスヘ問い合わせてみるのが良いだろう。
概算金額が提示される
状態や症状を日本ロレックスや修理業者に伝えると概算見積もりを出してくれる。実際の作業実施料金と比べても、概算金頼から著しく逸脱することは稀である。
本見積金額が提示される
時計を預けるとムーブメントを分解し、より詳しい見積もり金額を提示してくれる。不具合の原因もここで概ね判明するため、作業内容も含めて詳しく相談できる。
オーバーホール実施の意思確認
見積もり確認後は、オーバーホール実施の意思確認となる。内容や金額に納得いかない場合はこの段階で「実施しない」といえば、依頼時の状態に戻して、時計が返却される
オーバーホール開始
混み具合にもよるが、開始から完了までは最短でも1カ月ほどを見込んでおいたほうが良い。
受け取りと料金の精算
オーバーホールが完了すると、依頼先より完了の連絡が入り、時計の受け取りと料金の精算となる。受取方法や精算方法は依頼先により異なる。
実際に当サイト管理人がオーバーホールをインターネット業者に依頼した体験記を残しているので、そのページを参考にするとイメージが湧きやすいだろう。
消耗品の交換はオーバーホール基本料金に含まれるのか
正規メンテナンスセンターや時計修理工房で提示されているオーバーホール基本料金には部品の性能劣化に伴う交換パーツの代金や、その取り付け技術料などは含まれていないのが普通。
そのため、部品によっては高額になることもあるので注意したい。
どれぐらいの頻度でオーバーホールをすればいいか
通常のモデルで3~4年に1度程度のオーバーホールを推奨されているが、それより短い期間であっても遅れや進みが目立つようであればオーバーホールを考えよう。また、全く使っていないのであればオーバーホールを行わなくていいかといえばそうではなく、使用頻度が少なくても、オイルやゴム製のパッキンなどは時とともに劣化するし、極端な話、一切使用しなくてもオーバーホールが必要なのだ。
もちろん、ダイビングなどの過酷な環境下で使用している場合は、もっと短いメンテナンスサイクルでオーバーホールする必要があるだろう。