いざロレックスを買取ってもらう場合、やはり高く買取ってもらいたいもの。実は、同じ時計でも高く買取ってもらえたり、逆に安く買いたたかれたりと買取査定額に差が出てくる。ここでは高い買取価格を出してもらうための10のコツを紹介する。
高額査定を引き出すためにやっておく10のコツ
ロレックスを買取ってもらう際にはできるだけ高く買取ってもらいたいと思うのは当然のこと。ただし、同じ時計でも高い買取価格になったり、逆に安い買取価格しか提示されないこともある。
時計自体が高価なので、査定を依頼の際にちょっとしたことでも大きな差になってくる。そのため、できるだけのことをしておきたい。
ここではよい査定額を引き出すためのポイントを紹介していく。すぐにできることと、事前の準備が必要なことなど様々だが、できるかぎりこのポイントを押さえておけば良い結果につながりやすいはずだ。
コツ1.中古品の実勢価格を把握しておくこと
インターネットを使って中古品の実売価格を調べる
まずは、自分の時計の価格がいくらぐらいで販売されているかを把握しておこう。調べるのはインターネットで十分。最低でも10店舗ぐらいで自分の持っている時計がいくらの中古価格で販売されているかを調べることだ。他にも、楽天やヤフオクなどでの相場観を知ることは大切だ。(メルカリなどでは個人が好きに価格を決めていることが多いので、分かりづらい)
もちろん、「中古」の価格で調べること。新品の価格とは大きく違うので注意したい。
- ロレックス買取サイト
- 楽天市場
- ヤフオク
ほとんどの場合中古での販売価格より低い金額で買取ってもらうことになるが、調査中に結構高値で売っている店舗があれば、その店舗での買取価格が高い可能性もあるので、メモしておくといい。
中古の実勢価格を知っておくと安心して交渉に臨める
買取価格は、モデルの人気や販売価格によっても変わってくる。それを基準に設定される下取り価格も当然変わってくる。自分で納得できる買取をしてもらうためにはお店の新品、中古販売価格を把握しておくことも重要。
特に、ロレックスは為替の影響で価格が変動しやすいので、ダイヤやサファイヤなどの宝飾品付系のモデルや、あまり市場に流通していない珍しいモデルなどは中古の実勢価格を調査しておこう。そうでないと、市場の相場に比べて安く買い叩かれることもあるので注意したい。
コツ2.買取価格の相場を把握する
店舗によって価格相場が違う
たとえロレックスでも、中古市場は「需要と供給」がポイントとなる。人気モデルは高額査定になるし、人気がなければ安くなる。また、その時のお店の在庫量や新品、中古販売価格も判断材料となる。
しかしながら、新品同様に中古市場が確立されているため、下取りや買取価格も安定している。もちろん、為替相場や急激な人気の高まりによって、ある程度上下もする。つまり自分の売りたいモデルが、今どれぐらいの相場なのかを知っておくことは必要だ。
今度は買取店舗の相場を調べる
ポイント1で中古価格の相場を調べたが、次に買取価格の相場を調べる。こちらも、インターネットでいいので調べることになるが、店舗によっては全く記載していないところもあるので、珍しいモデルの場合は把握しにくい。
「買取価格表」でまとめてはいるので、参考にしたい。また、様々な要因で買取価格は上下するので、クオークやジャックロードなどの最新の買取価格も参考にするといいだろう。
- クオーク
- ジャックロード
- ネクサス
- GMT
- ブランケット
ただし、ここに記載している価格は参考価格であり、ほとんどの場合新品に近い状態の場合の金額。基本的にはこの金額よりも低い査定額になることのほうが多いのでそのつもりでいるといい。
もちろん、買取価格を記載していないサイトのほうが高く買取ってもらえる場合もあるので、買取価格を記載していないというだけで敬遠するのはやめよう。
コツ3.保証書やケースの付属品をそろえる
付属品も重要な査定項目。ロレックスを購入した際、付属品として、本体以外に、箱、ロレックス発行の保証書、小冊子、タグが付属している。
また、自分の腕のサイズに合わせるためにブレスレットを調整した際には、外したブレスレットのコマも付属品となる。
箱があるかどうかで5,000円から1万円、保証書の有無で1万以上も査定が変わってくる。また、旧型スポーツモデルは付属品の有無によって価格が変わってくることも。
タグや小冊子はなくてもいいが、ブレスレットのコマは超重要
付属品はすべて揃っていることがベストだが、小冊子、タグなどは実は査定額にはそれほど影響しない。
逆に箱、保証書、(オーバーホールした場合は修理明細書)、ブレスレットを調整した場合は使用していないブレスレットのコマが、高額査定に重要なアイテムとなる。
特にロレックスのような高級時計はブレスレット単体でも相応の金額になるため、調整の際に取り外したコマなどは、揃っているのと、揃っていないとでは、買取価格に違いが出やすい 。
オーバーホールしているものはオーバーホール証明書をつける
査定価格には時計内部の状態も大きく関連しているが、内部の状態の判断はいつオーバーホールをしたかということも判断材料になる。
10年間一度もオーバーホールをしていないものと、3年ごとにオーバーホールをしたものであれば、内部の状態が全然違う。
そのため、しっかりとオーバーホールしたもののほうが高く買取ってくれる。そして、査定に出すときにはオーバーホールをした証明書を添付することで査定する側も判断がしやすくなる。
ただ、「買取査定時に修理やオーバーホールは必要か」で紹介しているように、買取査定の直前に査定額を上げる目的でオーバーホールを行う必要はない。
アンティークモデルだと全てが査定対象に
前項にて小冊子は査定価格にそれほど影響しないと述べたが、アンティークモデルの場合なら、この小冊子も査定対象となる。
小冊子は1960年代から付属しているため、初期の珍しいモデルのものになると、数十万円のプラス査定になることも。
ちなみに、付属品の中では1950年台から1960年台のスポーツモデルの保証書も希少性が高く、1枚50万円の値がつくものもある。
とにかく何でも持っていくといい
結論としては、勝手に判断せず、買取査定を依頼する際は、購入した時に付属していたもの(+あればオーバーホール証明書)全てを持って行くといい。
同様に、新しくロレックスを購入した場合には付属品はすべて保管しておくと後々手放すときに有利になるので覚えておきたい。
ロレックスを買取に出す時に揃えておく箱・保証書など一覧
ボックス | 現行のボックスは外側がブランドカラーをあしらった上品なグリーン、内側はクッション材の上にオフホワイトのビニール素材がはられている。モデルによって種類があり、現行のボックスでも5000円程度の価値がある。 反対にボックスは年代ごとに同じものが使われているため、アンティークものでも特に希少性の高いボックスというものは存在しない。 |
---|---|
保証書 | 時計の品質を保証するという意味で、付属品の中でも価値が大きい。モデルやコンディションなどによる差があるものの、保証書の有無による買取査定の差は約1万円。 |
小冊子 | モデルごとに機能や使い方を記した小冊子が付属している。現行モデルの小冊子は買取査定時の価値はないが、表紙のイメージ写真などがマニア心理をくすぐることもあって、将来的にコレクターズアイテムとして価値が上る可能性は大きい。 |
オーバーホール証明書 | オーバーホールをしているのであればその証明書をつける。もしなければオーバーホールをしてもらった店舗に依頼して再発行してもらうという手もある(断られる場合もあるが)。 |
査定に影響の少ないもの&価値の無いもの
- サブマリーナのアンカー(錨)
- 旧シードゥエラーのバネ棒外し
- クロノメーターシール(通称レッドタグ)
→スイス公認クロノメーター協会(COSC)が定める精度基準にパスしたことを証明する高精度の証だが、保証書やボックスのように実質的な役割を持っているわけでもない。 - 時計の商品管理情報が記載された値札、グリーンタグ
→正規店では購入時に回収されることは多いが、並行店ではそのまま付属品としてもらえることが多い。ただし、価値はほとんど無い。
コツ4.時計の状態を把握する
ロレックスの状態によって買取価格は大きく変わるもの。買ってから一度も使ってないものと毎日使ったものとは雲泥の差が出てくる。また、日々の手入れやオーバーホールの頻度によっても異なる。
店舗によって基準が異なるが、時計の状態をS・A・B・Cなどと分類しているが自分の時計がどれにあたるかは把握していたほうがいい。
ただ、買取価格が落ちるからロレックスをつけないというのはもったいない。ただし、日々のメンテナンスと定期的なオーバーホールはやっておこう。
時計の査定価格を決めるポイントは「どうせ売るなら高く売りたい!買取査定価格を決める10のポイント」で紹介しているので参考にしてほしい。
参考リンク どうせ売るなら高く売りたい!買取査定価格を決める10のポイント
コツ5.綺麗な状態で持ち込む
最低限の汚れ落としはしておく
見た目の印象も意外に大事なので、査定に出す前には綺麗にしておこう。セーム革で磨いたり、歯ブラシなどでブレスレットの間の汚れを落としたりしておこう。
見積もり前にオーバーホールは必要か
定期的にオーバーホールをしておくと、時計内部の状態が正常な状態に近いことが多いので、査定に有利になる。ただし、直前になって高く査定してもらうためにわざわざオーバーホールに出すようなことはしなくてもいい。
時計の状態にもよるが、多くの場合、メンテナンスが必要なものは、業者が買取後に自店舗や提携している店舗で割安でオーバーホールを行う。
そのため、買取ってもらう前に数万円するオーバーホールに見合うだけの買取価格の向上は望めない。査定直前であれば自分で対応できる範囲のメンテナンスに留めておいたほうがいい。
使用しているのであれば傷があっても当然
修理体制が備わっている店舗なら、年式相応の傷は問題ではない。ポリッシュなどで直る傷なら査定に響かない。
しかし、いくら外見がきれいでも、内部が傷んでいると話は別。オーバーホールが必要なら査定は厳しくなる。
コツ6.少しでも高く買取ってくれる店舗を探す
市場調査をしているお店は査定額もよい傾向
売却する場合は市場調査をきちんと行っているお店かどうかが重要になってくる。
査定に出すととんでもなく安い定額査定を言い渡される場合もあるが、そんな時はその店舗が最新の相場研究を怠っているケースが多い。ロレックスの昔の相場を基準にされては大損なことも。
適正価格がわかっているお店なら、売り主が気づいていないレアなポイントなどの付加価値が査定額に反映されることもある。
販売実績が良い店が高い査定を出してくれやすい
一般的な人気モデルならばそれほど影響はないが、宝飾系、金無垢などの特殊な商品は、取り扱う店舗の実績の有無で買取価格に差が出てしまうことも多い。
というのも、販売実績の少ない店舗は、万が一売れない場合のリスクを考慮して買取も消極的なのだ。そのため、商品の販売傾向を確認して、販売実績の多い店舗に持ち込むことが重要だ。
ただし、海外への販売を中心に行っている業者もあり、販売はやっていないが買取はやっているというお店もあるので注意したい。
アンティークモデルの場合買取ってくれない場合も
最近のアンティークモデルは偽造レベルが上がっており、偽物かどうかの鑑定が非常に難しくなっている。
アンティークロレックスは専門的な知識がないと査定が難しいので、ロレックスに詳しい業者でないと、買取拒否されたり、相場よりも大幅に安い買取価格を提示されたりすることもある。
複数店舗で査定してもらうことが必要
最も大切なことは、複数店舗で査定してもらうこと。1つの店舗での査定ではそれが適正かどうかわからない。査定に出す際も、複数店舗で見積もってもらうことを先に伝えておけば、無用なトラブルにはなりにくい。
実店舗を回って査定してもらったり、インターネット査定してもらったりと最低でも3店舗は見てもらうことをおすすめする。
コツ7.需要が高くなる時期を狙って持ち込む
ロレックスの並行輸入市場は常に流通在庫が不足気味なのでボーナス商戦など、需要が集中する時期は流通在庫を充実させる必要がある。
そのような時期は通常よりも高値で買取を行う傾向が強い。よく「10%増しで買います」とかいうアレだ。もちろん、フェアをやっていないところでも、需要が高くなる時期は買取価格を上げている場合がある。
買取フェアなど、イベントを行う時期
- 夏冬ボーナス時期
- 3月・4月
コツ8.買い替えならば査定交渉しやすくなる
通常は査定交渉してもあまり意味がない
買取の場合、査定金額に対してもう少し高くならないかという交渉をすることも多いが、ほとんどの場合あまり価格が上がらない。
というのも、その店舗なりのできるだけ相場に近い金額を出すのが常なので、客によって価格を変えるようなことは(ほぼ)しないからだ。
買い替えという手は有効
しかし、買い替えであれば話は別だ。ちなみに、買い替えとは、手持ちの時計を下取りしてもらった時の費用を頭金にして、新たに時計を購入することを「買い換え」と呼ぶ。
この買い替えならば買取価格を上げてもらう交渉もしやすい。もし次に欲しい時計が決まっているなら、そのお店で下取りしてもらうといいだろう。
買い替えは販売店にとってもメリットが高い
この買い換えを行った場合、販売店は新品よりも為替の変動リスクの少ない中古品の仕入れを行いつつ、同時に店頭商品の販売を行うことができる。顧客の獲得にもつながるため、買取よりも販売店のメリットが大きいのだ。
売り手としても査定額の交渉がしやすい
手持ちの時計よりも高額のモデルを手に入れたい場合は頭金をベースに安く時計を購入でき、安い時計を手に入れた場合は差額が手元に返ってくるため、ロレックスを売りたい人にとってもお得なシステムだ。
買取額も少し高めになることも
下取りの場合、客との長い付き合いが前提になるので、買取額も少し高めになる場合もある。
また、買い換える商品の購入金額と査定額を調整して、買い取り額を上げてもらうこともできる。もし目当ての商品がある場合は、買い替えのほうがお得だ。
この場合は、高い価格で買取ってくれる店舗を沢山探すのではなく、3店舗ほどに絞って「この時計が欲しいので、今の時計を下取りしてほしい」という交渉のほうが実は得になる。
中古価格はそのお店の裁量で決まっているので、新品よりも価格交渉しやすい。お店によっては価格が1割から2割ほど違うこともある。
新品にこだわらないなら、次の一本として中古品を狙えば、下取り価格と合わせて交渉の余地が広がる。新品が高額なモデルでも意外と少ない差額で手に入ることもある。
コツ9.並行品のほうが正規品より買取査定は高くなる
正規品のほうが高い査定額のイメージだが
正規品でも並行品でも、本物のロレックスである限りは時計としては全く同じ。だが、流通ルートから考えて、日本ロレックスから仕入れる正規品のほうが、少し格上のようなイメージがある。
では、買取査定の時も正規品のほうが高い価格がつくのかというと実はそうではない。事実は全くの逆で、一般的に並行品で購入したロレックスのほうが良い査定額が出る。
保証書は立派な価値の証明であり、コレクションの一部
その原因は保証書だ。正規品も並行品も、時計自体は同じだが、ロレックスのような高級品にとって、たとえ保証期間を過ぎたものでも保証書は立派な価値の証明であり、コレクションの一部でもある。
買取ったものを販売する時に不具合が生じる
正規品の場合は、最初に登録した日本人の名前が保証書に記載されるが、個人情報を保護するための法律によって、転売時はこの部分を塗りつぶさなければならないのだ
買取ったロレックスは中古品として販売することになるが、転売時に名前欄が塗りつぶす必要があるため、中古品の保証書に外国人の名前ならまだしも、名前が塗りつぶされているという点に抵抗を感じる人も多く、結果的に価値が落ちる。
並行品の場合
並行品の場合、保証書の名前欄は空欄の場合が多い。また海外で発行された保証書なので、仮に現地の個人名が入っていても消す必要はない。そのため、抵抗を感じることもないということだ。
もちろん、これは買取価格の大きな差になるわけではなく、その差は額にして1万円程度。もちろん、買取査定額に差を付けないお店も多い。
コツ10.納得できない価格の場合は売却しない
その場の雰囲気に流されると後で後悔する
これは一番大切なことだ。その場の雰囲気に流されて安い価格で売却してしまうと後には後悔しか残らない。売った後で、「あそこで売ればよかった」や「売らずにとっておけばよかった」と思ってもどうしようもない。
自分なりの最低金額を決めておこう
市場的に価値がなければ買取金額は安くなるもの。買取ってもらう際には、しっかりと相場を調べ自分が納得できる最低金額を決めておき、納得できない場合は売却しないようにしよう。
親切な店舗は、査定時には時計の状態がどれぐらいの価値があるかも教えてくれるので、その点は真摯に受け止めたい。3店舗が同じような査定ならば他の店舗だって同じ査定内容になるだろう。
先に店舗にも伝えておくとトラブルになりにくい
複数の業者に見積もりを依頼する際も、「即決はせず複数のお店で見積もってもらってから決めたい」ということを先に伝えておけばトラブルになりにくい。
まとめ
ここまで査定時のポイントを紹介してきた。すぐにできるものから準備が必要な物まで様々だが、このコツを参考に高い買取価格を実現してほしい。
もう一つ大切なのは、ロレックス本体の状態だ。1回しか使用していないものと、10年使い込んだものではその価値が大きく変わる。
どのようなポイントで査定されるかは「ロレックス本体の査定価格を決める10のポイント」で説明しているので参考にしてほしい。