愛用のロレックスを何年もメンテナンスをせずに使い続けていくとどうなってしまうのか。特に問題なく動いているからと、何年もたいしたメンテナンスをせずに使い続けてはいないだろうか?そのようなロレックスへの過信は、確実に愛用のロレックスの寿命を縮めてしまう。
壊れにくいと評判のロレックスといえどもメンテナンスは必要
ロレックスは防水性や耐久性など、一般的な機械式腕時計よりも優れているが、精密機械であることに変わりはない。
もちろん、高級腕時計でありながら、壊れにくい頑丈な作りの実用時計というのがロレックスのイメージ。事実、ロレックスの腕時計にはそうしたイメージを裏付けるだけの確かな作り込みがなされている。
オイスターケースを採用することで高い防水性能を誇っている
例えば、防水性に優れたオイスターケース。多くのブランドでは金属塊を削り出して成形したパーツを組み合わせる切削ケースを採用するが、ロレックスでは金属塊をくり抜いた継ぎ目がないケースを採用しているため、一般的な腕時計と比べて防水性能を高めることに成功している。
また、高品質なオイスターケースとともに、ネジ込み式のケースバックとリューズを採用することで、ロレックスは優れた防水性能を実現している。
密度の高い金属を使うことでケースの強度向上と錆などの発生を抑えている
さらに、切削ケースの場合は鋳造後の金属表面や内部に生じる孔状の欠陥がよく見られるが、これは素材の強度が落ちるほか、磨いたときに波打ってしまう原因になる。
そのためロレックスでは、何度も金属をプレスして金属の密度を高め、強度の向上と錆や欠陥の発生を抑える鍛造成形を採用しているが、これにより磨いたときの質感は一般的な腕時計と比較しても美しく滑らかなものとなる。
内部に使われている部品が細部に至るまで耐久性が考えられ設計されている
ロレックスの確かな作り込みはケースなどの外装だけに留まらない。ムーブメントにおいても一般的なムーブメントと比べて全体的に頑強な作りになっているほか、精度に関わるパーツには耐磁性や耐食性、温度変化に強い素材を使用するなど、細部に至るまで、耐久性が考えられ設計されている。
メンテナンスしなくても結構きちんと動く
ロレックスでは、こうした徹底した実用指向の作りなので、よくロレックスは特にメンテナンスをしなくても、何年も問題なく動くと思われ、酷使されている場合が少なくない。
事実、主ゼンマイが強くて歯車の構成も優秀なため、オイルが切れかかった状態でもある程度の精度が出てしまうので問題ないとも割れてしまう。
そして、動かなくなったり、極端に精度が落ちた段階で初めて内部に異常があると判明するのだ、
問題なく動くからといっても、決してメンテナンスが不要というわけではない
もちろん、メンテナンスをせずに何年も問題なく動作し続けるという事例がないわけではなく、それはそれでロレックスの壊れにくさを象徴するような話ではあるが、問題なく動くからといっても、決してメンテナンスが不要というわけではない。
いくらロレックスが一般的な機械式腕時計と比べて丈夫だとしても、小さな金属パーツを組み上げた精密機械であることに変わりはないのだ。
たとえ外見上は問題なく動いているように見えても、内部では確実に摩耗が進行し、実際に何か不具合が起きたときには、通常のオーバーホールでは対応できないほどにダメージが深刻化していることも珍しいことではない。
オーバーホールを行う理由
ロレックスに代表される機械式時計の場合、3~4年に1度はオーバーホールを受けるのが大前提。もしもオーバーホールを実施しないと精度がおちるだけでなく、故障の原因となる。
オーバーホールを受ける理由は大きく分けて5つ
- 外からでは判断できない時計内の故障や破損のチェック
- 消耗パーツの交換により、未然に大きな破損事故を防ぐ
- 内部の洗浄と、新しいオイルを注油してムーブメントを新品に近い状態に戻す
- 精度や防水性をテストし、腕時計としての機能性を維持できる
- ケースやブレスの汚れを除去したり、それでも取れない汚れなどは研磨し、外観を新品に近い状態に戻す
よく雑誌や販売店舗では一生ものの時計と言われるロレックスだが、それは正しくメンテナンスをしてこそ。さらにいえば、定期的に修理業者へオーバーホールを依頼することが大切だ。
オーバーホールせずに使い続けるとどうなるのか
特に問題なく動いているからと、何年もオーバーホールをせずに使い続けてはいないだろうか?そうしたロレックスへの過信は、確実にロレックスの寿命を縮めることを意味しているのだ。
気密性が確保できなくなる
ロレックスでもほかの腕時計と同様、ケースパックやリューズには気密性を確保するためにゴムパッキンが使用される。ゴムパッキンの寿命は使い方にもよるが、丁寧に扱っていたとしても2~3年といわれ、年月とともに徐々に劣化し、弾性を失う。弾性を失うとパッキンは堅くなり、気密性が確保できなくなっていくのだ。
この状態で水につかってしまうと時計内に水が入ってしまい非常に面倒なことになる。
普段手の届かないところが錆びていく
ネジ込み式リューズのように開け閉めの機会が多いところでは、チリやホコリが溜まりやすく、放って置くとサビの原因となる。
こうしたサビは金属を腐食させ、気密性の低下を招く原因となるほか、新たなサビを発生させる温床ともなる。
また、軽い汚れや劣化による影響が外装部分に留まっているうちはまだマシだが、さらに進行して水分が内部に浸入しやすい状態となっている場合は、危険信号だ。
年月とともに劣化して粘性が増した潤滑油がパーツを摩耗させる
ムーブメントにはパーツのスムーズな動作、そして摩擦の軽減のために潤滑油が使用されるが、摩擦をゼロにできるわけではない。年月とともに劣化して粘性が増した潤滑油は、パーツ同士の摩擦により発生する金属粉と混ざり合ってさらに劣化していく。
金属粉と混ざり合った潤滑油はいわば研磨剤のようなもので、パーツの摩耗をさらに加速させる。こうしてパーツの摩耗が進行すると、いくらロレックスといえどもまともな働きは維持できなくなる。
それどころか、メンテナンス時のパーツ交換が必要となり大きな出費となってしまう。最悪の場合、いくら手をかけても元の状態に戻すことができなくなってしまうこともある。
まとめ
オーバーホールはロレックスの故障を未然に防ぐ役割を持つ。大切な時計ならば定期的なオーバーホールを実施しよう。
実際にオーバーホールを依頼する場合は修理業者などを探すことになるが、「オーバーホールや修理はどんなところに頼んだらいいのか」で詳しく説明しているので参考にしてほしい。
参考リンク オーバーホールや修理はどんなところに頼んだらいいのか
将来手放すときにも大きな差が
万が一故障したり状態が悪化していると、子どもや孫に渡すこともできないし、そうなったら修理もできない。
また、いざ手放す時に買取査定してもらおうとしても良い状態の買取金額には到底届かない。
将来の自分のためにも。ぜひ。