オーバーホールは時計を分解し、清掃と再組み立てを行って、破損や劣化している部品を交換することを指すが、オーバーホールを行ったり、時計の壊れている部分を修理するとロレックスの買取査定額は高くなるのかをここで紹介する。
オーバーホールや修理は買取査定に有効なのか
ロレックスを売却する場合はできるだけ高い値段で買い取ってもらいたい。買取価格を上げる要素は様々。動かない時計一方で時計を分解して清掃や部品交換を行うオーバーホールという作業があるが、買い取り査定前にオーバーホールや修理を行っておくと買取価格が上がるかどうかはぜひ知っておきたい。
オーバーホールや修理の費用分は査定額に上乗せされない
結論から先に書くとオーバーホールや修理を行ったばかりの時計は若干査定額は上がる。ただし、オーバーホールや修理を業者に依頼した費用全部が査定に追加されるわけではなく、総額で考えるとオーバーホールや修理を行わずにずに買い取り査定に出した方が、プラスになることが多い。
買取業者の多くははメンテナンス業者と提携していたり自前でメンテナンスできるのでその分のコストを抑えている
以下は日本ロレックスサービスセンターのオーバーホール基本技術料だが、あくまでこれは基本技術料。これに加えて部品の交換代がかかるため、非常に高額となっている。
モデル | 基本技術料 |
---|---|
オイスターパーペチュアル | ¥45,150 |
デイト・デイトジャスト | ¥46,200 |
デイデイト | ¥57,750 |
デイデイトⅡ | ¥57,750 |
エクスプローラーⅠ | ¥45,150 |
サブマリーナ | ¥46,200 |
ミルガウス | ¥47,250 |
エクスプローラーⅡ | ¥47,250 |
GMTマスター | ¥47,250 |
サブマリーナデイト | ¥47,250 |
シードゥエラー | ¥47,250 |
コスモグラフデイトナ | ¥63,000 |
ヨットマスター | ¥47,250 |
ヨットマスターⅡ | ¥84,000 |
一方で高級腕時計に強い買取業者はメンテナンスできる工房と提携していたり、メンテナンス工房を自社で運営しているところがほとんどなので、多くの場合、オーバーホールや修理が必要な場合でも業者が買取後に自店舗や提携している店舗で一般的な価格よりも安くオーバーホールや修理を行ったうえで店頭で販売している。
そのため、買取ってもらう前に数万円から数十万円するオーバーホールや修理を行っても、それに見合うだけの買取価格の向上は望めない。
よく「あなたのロレックス、壊れていても買い取ります」のような広告を見ることがあるが、中古買取業者は故障している中古ロレックスを買取った後、自社(もしくは提携業者)で安価に修理を行い、中古品として店頭に並べる業者もいるほど。
このように修理やオーバーホールを買取業者側で賄うことができるので、買取査定の前にわざわざオーバーホールや修理を行う必要はない。
複数の業者に査定を依頼するのを忘れないように
ロレックスのような高級腕時計を買取ってくれる業者といえば、時計専門店や質屋、リサイクルショップがある。
リサイクルショップのようなロレックスを熟知していない業者の場合
業態によって査定額や査定方法は異なり、例えば幅広いジャンルを買い取るリサイクルショップのようなロレックスを熟知していない業者の場合は、修理業者と密に提携していないところもあり、故障して動かない場合や、外部が大きく破損している場合は、時計専門業者の査定額よりもかなり低い価格で見積もられることもある。
修理体制が備わっている店舗の場合
一方で修理体制が備わっている店舗なら、年式相応の傷は問題ではない。ポリッシュなどで直る傷なら査定に響かない。このあたりのことを踏まえ、複数の業者に査定を出すことを忘れないようにしたい(しかもできるだけ腕時計専門を数点選んでおくことが望ましい)。
買取査定前には自分でできる範囲のメンテナンスで十分
最低限の汚れ落としはしておく
査定のためにオーバーホールや修理は不必要とは述べたものの、見た目の印象も意外に大事。買い取り査定に出す前にはセーム革で磨いたり、歯ブラシなどでブレスレットの間の汚れを落としたりと、自分でできる範囲のメンテナンスで綺麗にしておこう。詳しくは「毎日のお手入れ方法」を参考に。
見積もり前のオーバーホールは不要だが、定期的なオーバーホールは必要
ではオーバーホールは不要かといえばそうではなく、時計内部が正常な状態で動いている時計と、内部が錆だらけの時計では査定額は大きく変わる。
通常使い続けるのであればオーバーホールは必須だし、定期的にオーバーホールを行っておけば、時計内部に不具合が発生しにくく、いざ売却する際には査定に有利になるのは当然ともいえる。
まとめ
結論としては、買取査定直前になってわざわざオーバーホールに出すようなことはしなくてもいいが、定期的なオーバーホールは必要。
例えば前回のオーバーホールから5年以上経った状態の場合、すぐに売却するつもりならオーバーホールは不要だが、売却するつもりがしばらくないのであればオーバーホールを行い、資産価値維持に努めたほうが長い目で見てもプラスになるはずだ。