近年、ロレックスの市場価格が大幅に上昇しており、買取価格も同様に上昇している。以前は金無垢モデルよりもステンレスモデルの方が人気が高く、買取価格も高い傾向にあったが、だんだんと金無垢モデルの買取価格も上がってきている。ここではその理由を説明する。
金無垢モデルは大きく分けて4タイプ
はじめに、金無垢モデルのタイプを抑えておこう。ロレックスには4つのタイプの金無垢モデルが存在する。
イエローゴールド
金無垢モデルの定番であるイエローゴールドは。定番だけにデイデイトやデイトナのほか、多くのコレクションでラインナップされている。イエローゴールドの特徴として誰が見てもゴールドとわかる点。それは高価なイメージではあるが、ぎらついているイメージでもあるので、敬遠する人も少なくはない。
ホワイトゴールド
ぱっと見た雰囲気はステンレススチールとさほど変わらないホワイトゴールド。ただ、よく見るとステンレスとは異なる高級感を醸し出している。ゴールドならではのギラついた感も少なく、日本で人気が高い。
ピンクゴールド ・エバーローズゴールド
赤みを帯びた上品な輝きを放つピンクゴールド・エバーローズゴールド。レディースモデルにも使わることが多い。柔らかい色なので、イエローゴールドよりも日本人に合い、そこまでゴテゴテしていないので選ぶ人も多い。
プラチナ
プラチナは厳密にいうとゴールドとは異なる。その価値はゴールド以上に高く、高級金属のひとつとして古くから知られている。色がホワイトゴールド寄りなので、身に着けやすく人気は高いが、高価。
日本人に人気なのはホワイトとピンク
日本ではイエローゴールドはややギラツキ感が強い印象から、そこまで人気が高くない。日本で人気なのは、見た目がステンレスとさほど変わらないホワイトゴールド、そしてギラツキ感が抑え気味のピンクゴールド。
このピンクゴールドどちらかというと肌の雰囲気に合うため、優しい印象を与える。男性でも女性でもどちらも非常に優雅に見える。最近ではiPhoneやMacBookにもピンクゴールドが使われていることもあり、手持ちのアイテムに馴染みやすい色でもある。
プラチナモデルについては、欲しいという人は多いが、価格がゴールド系と大きく異なるので所有率は低いようだ。
以前は金無垢モデルよりもステンレスモデルのほうが高かった
買取価格は市場での人気によって決まる
ロレックスの買取価格は、市場相場と密接に関係している。高い値段で売れるのであれば買取価格も上昇し、反対に販売価格が下がれば買取価格も下がる。基本的に買取査定はその店舗での新品販売額に中古市場での相場や人気を加味して決められる。
以前はステンレスモデルのほうが人気だったため買取価格が高かった
日本市場ではデイトナやサブマリーナに代表されるようにステンレススチールモデルの人気が高い。その一方で、金無垢モデルは正規価格は高いが、そこまで人気が高くない。というのも、日本では成金的なイメージやギラツキ感があるため金無垢モデルは敬遠されるためだ。
実際、ロレックス正規店ではステンレススチール製のスポーツモデルはほぼ品切れだが、ゴールド素材のスポーツモデルは若干店頭に並んでいることもある。
一方、それと反するように海外では成功の象徴として金無垢モデルが好まれる傾向が強い。特に中国では金色は縁起のいい色として非常に好まれている。
以前の買取市場では、ロレックスの国内需要は金無垢よりもステンレススチールのほうが高いため、販売されている価格と買取価格の比率は時に逆転していた。つまり、金無垢モデルの査定は低かった。
特に希少性のない中古ロレックスの場合、ステンレススチールも金無垢も買取査定は同程度にされていた。
現在では金無垢モデルも買取価格が上昇
現在、金無垢モデルはステンレススチールモデルと同様の査定割合になっており、それなりに高い査定額が出てくるようになっている。そして、使用している素材は金ということもあり元からの価格が高く、資産価値が高いともいえるようになった。
多くの金無垢モデルは海外に流出している
資産価値という点では金無垢モデルは非常に優秀だということを説明したが、依然として日本国内での人気は高くない。高い査定額になる理由は、金無垢モデルの多くが海外に流出しているからだ。
来日した際に購入していく外国人が増えている
金無垢モデルが日本市場でそれなりに売れている理由には、中国人観光客が来日した際、ロレックスを購入することも理由に挙げられる。中国では金が古くから好まれる文化があり、著しい経済成長によって登場した新興の富裕層が日本を訪れた際に、金無垢モデルを購入していたのだ。
また、最近ではヨーロッパや東南アジアからの観光客が、自国よりも割安になっている日本国内の金無垢モデルを購入しているという。さらに、免税品としている店舗も多く消費税分も安くなる。高価な買い物なので消費税分とはいえその額は大きい。
海外にも販売している
海外に販路を持っている業者であれば、日本で買取を行い、海外で販売するという手法をとっている。海外で人気になりそうなモデルでも日本で市場価値の低いモデルはまだまだあるため、買取業者はその差分で利益を得ている。
価格に影響するのは金相場ではなく為替
金無垢モデルというからには金相場の影響を受けるイメージがあるが、市場では地金ではなく、あくまで腕時計としての価値で取引される。そのため、金無垢モデルは金相場の影響は少なく、為替相場の影響を強く受けているのだ。
まとめ
金無垢モデルを買取依頼するなら海外と取引している業者がいい
もし、手元に金無垢のモデルがあり、買取に出すことを考えているのであれば、多くの金無垢モデルを扱っている業者や、海外に販路を持つ業者に買取査定を依頼するといい。
通常の買取調査と同じように、金無垢モデルでも複数のロレックス買取サイトを比較することをおすすめする。また、ネットオークションやメルカリなどの個人売買サイトだと、思いのほか低い価格になってしまうことが危惧されるので、やめたほうがいい。