腕時計の新品価格が100万を軽く超える高い超高級メーカーでも、保証書に署名されて中古品になったとたん、極端に価格は下がる。しかしロレックスは売却時でも高い金額で買取ってもらえる腕時計なのだ。ではなぜロレックスが最も買取価格がつくのか。ここではその理由を紹介する。
なぜロレックスの買取価格は高いのか
スイスの超高級腕時計メーカーであっても、新品のものだと高い価格がつくが、中古になると一気に価格が落ちる。そして、中古価格が安くなるということは買取価格も安くなってしまうのは当然のことだ。
一方、ロレックスは中古でも高く買取ってくれる時計ブランドの代表格で、圧倒的な再販価値を誇っている。そして、高級時計ブランドの中で最も値下がりがしにくいブランドの一つとして認知されている。
特にデイトナやサブマリーナなどのスポーツモデルであれば買取店のほとんどが高い買取価格を提示してくれる。
では、なぜロレックスの買取価格がこのように高いのか。それには3つの理由があるのだ。
買取価格が高い理由1.世界的人気ブランドだが流通量は抑えめ
日本でも人気だが、世界でも人気の高級腕時計
時計のラインナップが幅広く、デイトナに代表されるスポーツ系からデイトジャストなどのドレス系、そして価格帯も実にバランスのいいラインナップを誇り、多種多様な人にニーズがあるのが、ロレックスの強みのひとつ。
日本ではロレックスの人気は絶大で、1950年代以降にリリースしたエクスプローラー1やデイトナ、サブマリーナなどほとんどのスポーツモデルが現在でも人気だ。時計専門店だけでなく、インターネット上のランキングでもやはりロレックスは別格だ。
さらに、現在の時計の買取価格は、日本市場だけの相場を反映するものではなくなってきており、世界の相場も関係している。
例えば日本ではステンレスモデルが人気なので、金無垢素材を使ったモデルは日本ではそこまで人気のないモデルだが、海外では人気。そのため、日本で売却しようとしたとしても予想以上に高い買取金額がつくことも。
人気だといって大量に作るようなことはせず、流通量はひかえめになっている
ロレックスは一般の普及率や知名度が高いモデルを多くラインナップしているので、中古品の腕時計を取り扱っている店は、できるだけ販売用のロレックス在庫を確保しておきたいという思いがある。
しかしながら、ロレックスは毎年大量に流通させるようなことはしないので、常に品不足というのが現状。そのため、積極的に売ってもらえるよう比較的高めの買取査定相場になっている。
買取価格が高い理由2.実用性の高さ
ロレックスは最高級ブランドではない
一般にロレックスは「最高級ブランドのひとつ」と認知されている。だが、それは正しくない。高級ブランドではあるが、腕時計界でもっと格上のブランドは数多く、ロレックスは中堅のブランドにすぎないのだ。
ロレックスはベストオブ高級実用時計
ではなぜロレックスの買取価格が高いのかというと、ロレックス最大の価値は、「高級実用時計ブランド」だからということにほかならない。
高級時計ブランドと知られているものが多数存在する一方で、実用的な時計をリリースしているブランドもたくさん存在する。だが、高級かつ実用的な時計といえば、そんなに多くない。その最高峰が、ロレックスである。
数々の腕時計の実用機能を実現させてきた功績
腕時計の進化においてロレックスの功績は大きい。金属塊をくり抜いたオイスターケースに、ねじ込み式の裏ブタとリューズを組み合わせた防水機構、他にも自動巻き機構やデイトジャストなどと、世界標準となる腕時計の基本機能を完成させたのはロレックスだ。
他にも3,900メートル防水を達成するなど、現在に至るまで様々な取り組みで実用性の高い時計をリリースしている。ロレックスは実用性にこだわることで、人々の絶大な信頼を獲得しているのだ。
買取価格が高い理由3.長年使える耐久性に優れた素材と作り込み
耐久性に優れた素材を採用
ロレックスのすべてのモデルはいずれも耐久性の高い素材で構成されている。 例えば多くのスポーツモデルのケースで使われているステンレススチールは、耐腐食性に優れた904Lと呼ばれる特殊な高品質素材を使用している。
他にも、ドレス系やスポーツ系モデルの高額なものに使われることの多いゴールド素材では、時代を経ても色あせないようプラチナを混ぜたエバーローズゴールドを開発してきた。
内部の機構も、全ラインナップの自社ムーブ化を達成させるべく、2000年に発表されたデイトナ搭載のCal.4130を完成。これで全てのラインナップが自社ムーブメントになった。
また、耐衝撃性と耐磁性に優れたパラクロムヒゲゼンマイも随時導入中だ。
半端ない作りこみによって完成された幾つものベストセラー
ロレックスは高級スポーツモデルの先駆者としても多くの実績を残している。例えば「サブマリーナ」「エクスプローラー」「デイトナ」など、現在も人気なロングセラーモデル。
その後、飽和潜水に対応するヘリウム排出バルブを搭載した610m防水の「シードゥエラー」、その後モデルチェンジした「ディープシー」は、驚異の3,900m防水に到達。
これらのモデルが市場で認められるベストセラーになっている理由は、いずれのモデルも半端ない作り込みがなされているからだ。
高い品質によって資産的な価値が目減りしにくく、買取価格が高くなる
このように、高品質な素材の採用や開発と、長期間使い続けることを前提にしたムーブメント、そして半端ない作り込みが、中古になってからの品質維持につながり、30年以上経ってもしっかりとメンテナンスすれば実用性を維持できる作りになっている。
そのため、資産的な価値が目減りしにくく、買取価格が高くなるわけだ。
ロレックスを買ったときよりも高く売れるか
ここまでロレックスは高級腕時計メーカーの中で最も高く買取ってもらえるメーカーということを説明してきたが、果たして購入した時よりも高く買取ってもらえるかどうか興味が出るだろう。
デイトナは正規店より並行店のほうが高いという現象
中古市場が確立され、買取価格が高いロレックスは、他ブランドに比べて圧倒的に資産性が高い。
特にその中でプレミアムと呼ばれるデイトナRef.116520であれば、正規価格(1,242,000円)より並行価格(1,397,000円)のほうが高い状態なので、お店によっては買った現行モデルを高く売ることも可能だ。
ただ、デイトナが正規店で販売されていること自体が非常に珍しい。また、並行価格のほうが高額だが、買取金額がそれと同じではないのは当然のこと。ということで、「お店によっては」高く売ることができるというのが結論。
以前に購入したデイトナだったら・・・
現在非常に高値になっているデイトナも、以前であればまだそこまで高くなかった。では、以前に購入したデイトナであればどうかというと、状態が良ければおそらく購入したときよりも高く買取ってもらえる。
同じデイトナ(Ref.116520)でも定価は上がっている
- 2002年:756,000円
- 2005年:808,500円
- 2007年:924,000円
- 2014年:1,123,200円
- 2015年:1,242,000円
プレミアが付くモデルであれば買取価格は一気に上る
デイトナ以外のモデルであっても、長いスパンで見れば、買った値段より高く売ることもある。
例えば、初代エクスプローラー2Ref.1655だと、1975年の正規価格が23万円だったのに対し、現在の相場は250万超え。なんと10倍も値段が上がっている。
同じく1975年発売のミルガウスRef.1019は正規価格255,000円だったのに対し、現在は500万近くの相場になっている。このようにプレミア価格がつくモデルも存在する。
ほとんどのモデルは買った時よりも高く売れない
基本的には購入から時間がたつにつれて価値が下がっていくため、ほとんどのモデルは買った時よりも高く売れるとは限らない。というのも、1975年当時とは比較にならないほどロレックスの流通量は多いからだ。
ただし、ロレックスの買取価格は他のブランドに比べて非常に高い。「買取相場一覧表」では正規価格と新品での買取価格を比較しているので、どのようなモデルが高く売れるか参考にしてほしい。
万が一壊れていても売れる
ロレックスは頑丈にできているが、それでも壊れることはある。また、非常に長い間メンテナンスをしていないと徐々に動かなくなっていくのも確か。しかしながら、ロレックスは修理をすれば動くようになるし、万が一部品が壊れていても修復は可能。そのため、壊れていても買い取ってくれる。
例えば風防が割れてしまったものや傷だらけであっても、ある程度査定額は落ちるが、買取不可ということはそう多くない。ただし、すべての店舗で壊れたロレックスを買い取ってくれるかといえばそうではなく、スピード買取.jpなどの、壊れていても買い取ってくれる業者に依頼することが必要。
まとめ
ロレックスの買取価格が高い理由は、世界的に人気で希少価値が守られていること、実用性の高さ、そして長年たっても使える価値の高さの3つから構成されている。
そのため、他の高級腕時計メーカーのモデルとは一線を画する買取価格を出してもらえる。
あと、ここ数年でロレックスの定価が大きく上がっているということもあるので、以前購入したものが高く買取ってもらえることもあるのでうれしい限り。
買取を考えている人はもちろんだが、今から高級腕時計を検討するのであれば、ロレックスを選んでおけば万が一将来手放すことになっても大きく値崩れしにくいので安心だ。