究極の実用性を追求してきたロレックス。それを証明するための数々の挑戦。ここではロレックスを中心とした世界的な偉業を達成した物語に迫る。極限状態でも比類なき精度の高さと耐久性を発揮したロレックスは冒険家にとって心から頼りになったに違いない

ドーバー海峡を渡るロレックス

            1927年10月7日ロレックス、いや時計の歴史における革命が起こった。ロンドンの記者であったメルセデスグライツが腕時計をしたままドーバー海峡を泳ぎきる、というドラマティックな出来事である。所要時間15時間15分。この短くも、時計という道具には長すぎる時間のドラマの主人公は、世界初の防水腕時計ロレックス・オイスターだった。 
報道記者たちは彼女が泳ぎきった歴史的瞬間の証人となっただけでなく、彼等はメルセデスグライツ嬢の腕につけられたロレックスが動いていたことに驚嘆し、その感動を"防水時計"ロレックスとして原稿に書いた。それによってロレックスの完全防水という発想、性能は世界中に知られるものとなったのである。
このことから注目を浴びたロレックスは、時計店の店頭に金魚鉢を置き、そのなかにオイスターを吊すというデモンストレーションをおこない、「ロレックスに防水あり」という発想を普及させた。
時計として認められなかった時代

            ロレックスのダブルネームモデルは中古市場に存在する。現在はロレックスというブランドの力や、数量的な制限があるので、世界的にも"高価"なモデルとなっている。しかしロレックスに詳しい人にもあまり知られていないロレックスの創世期。この時代ロレックスのほとんどの時計はダブルネームだった。 
だが厳密に言えば、ダブルネームと呼ぶよりも、受注生産を受けていた。つまり宝石店、洋品店、時計販売店のショップのブランドの時計を作っていたのである。この扱いは、いまで言うならスポーツギアのメーカーの東南アジア製時計と同じレベルの冷遇をされたものだ。
その後ロレックスはイギリスのモールトン侯爵など、一部の顧客に注文時計を作り経営を安定させ始める。そしてその資金によってオイスターケースを開発。その後はいわゆるロレックスの歴史として知られる、偉大なる栄光を歩むことになる。
深度実験

            オイスターケースの防水性能。これに関しては誕生した時点で完成していた。そういえるほどロレックスの技術は高い水準だった。具体的な点をいうならば、当時の防水の発想の多くはゴムであった。それは現在にも受け継がれているもので、「Oリング」などの耐圧防水対応の構造が技術的にもスタンダードなものとして存在している。 
しかし現実論として、ゴム、プラスチックという素材には"腐食"という問題点がある。ゴム、プラスチックはプロ用の水中カメラ、またはカメラを水中で使用するための機材で使われている。しかしエキスパートが使用する道具である。簡潔に言えば使用前後にチェックされ、定期的に交換される。腐食や劣化という障害を人的努力によって解決しているのである。
だが時計という道具の場合、使う人間は限定されない。つまりプロユースのスペックをもっている素人が存在するわけである。そして防水という発想も、すべての人間の生活に密着したものという根底をもつ。つまりゴム、プラスチックの使用はできないわけである。もちろん当時のゴムなどの樹脂には、現在の半分の信頼性もない。
そこでロレックスは、ケースを金属だけで完全密閉する精度を追及した。この精度は現在においても高精度かつ高コストで、容易に作ることはできない。しかしロレックスは、高度な技術を使いオイスターケースを完成させた。その精度は、1960年にフランスの深海調査潜水艇トリエステ号のボディ外部に取り付けられ信じ難い性能を証明した。一部に特殊加工がされたものであったものの、基本のオイスターケースそのままで、なんと深度1万908メートルまで潜ったのである。
確認のためにいっておくが、この深度はトリエステ号が潜った深度で、さらに潜らなければ、オイスターケースは壊れないということでもある。参考までに記すなら、この領域での水圧は1㎥当り1トンにも及ぶ。
エベレスト登頂

            防水性が高い。これは同時に機密性が高いことも意味する。これによって世界の偉業がなされたことも多々ある。そのひとつにエドモンドヒラリー卿によるエベレスト登頂がある。かの名セリフ「そこに山があったから」を語った男である。 
実は彼が使用した時計はロレックスのオイスターパーペチュアルであった。それは彼の多くの登山経験から、登山に必要な時計の条件はなにより"機密性"だったからである。超高度登山の場合、外気とシュラフなどでの睡眠時とでは、大きな寒暖差が発生する。機密性が低い、つまり防水性能を備えていない時計の場合、これが結露などの原因となるわけだ。
アナログ時計の結露は致命傷ともいえる問題である上に、外気温が"氷点下"の場合、結露した水滴が凍結し、ムーブメントを破壊してしまう可能性がある。しかしオイスターケースの防水性=機密性は結露の発生を十分に防げる。またオイスターケースは、インゴットをくり抜いてつくられているため、他の金属ケースに比べて温度による変形が少ない。
エベレスト登頂という過酷なチャレンジのために選ばれる資質。それがロレックスの潜在能力であり、他の時計にはないものだったのだ。

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ヨットマスターⅡ オイスターパーペチュアル
オイスターパーペチュアル












