日々ロレックスをつけていると、汗や皮脂の汚れが裏蓋やブレスレットに付着する。汚れをそのままにしておくとカッコ悪いだけでなく錆の原因に。初期の汚れは拭けば落ちるがなかなか取れない汚れもある。ここではケースやブレスレットの気になる汚れを取る方法を案内しよう。
すきまにたまった汚れが気になったら
楊枝や歯ブラシで簡単に除去できる
隙間汚れを放置すると、その汚れがこびりついてしまい、除去が難しくなるばかりか、金属の内部まで腐食が進んでしまうので、ときどき爪楊枝の先で隙間や凹部分に付着した汗や脂などの汚れを取ろう。
もちろん、歯ブラシでも大丈夫だが、毛先が硬く鋭い場合もあるので、時計ケア専用ブラシを使う方が無難。特にゴールド素材のケースやブレス、ウレタン製バンドなどは歯ブラシで細かいキズが付いてしまうことが多いので注意しよう。
時計ケア用ブラシは、価格も1000円程度と安価。一般ユーザーなら数年は使えるほど耐久性にも優れているので、1本は常備しておきたい。
あるいは「ロディコ」と呼ばれる汚れ取りを使う方法もある。これは練り消しゴムのようなもので、ちぎって、隙間や凹部分に押し付けると、その粘性で汚れが取れるという便利なもの。時計関連のプロ向け工具などを取り扱っているお店で購入可能だ。
凝固した汚れには
何年も掃除せず凝固した汚れには、綿棒にベンジンやアルコールを軽く浸すと、汚れが取れやすい。それでも落ちない汚れはサビや腐食の可能性があり、その場合は力任せに無理に落とそうとせず、オーバーホールに出そう。
汚れが取りにくい場所はこうやって掃除する
基本は綿棒と爪楊枝で事足りる。
綿棒でラグの裏
ラグとは、ケースにブレスレットをつなげるための接合部分のこと。ラグの裏などに入り込んだしつこい汚れは綿棒で取る。可動部は動かしながら作業すると掃除しやすい。
綿棒でボタン回り
プッシュポタンやリューズの隙間など、セーム革などでは届きにくい場所は綿棒で丁寧に掃除しよう。
綿棒でエンドピース
ケースとブレスの接続部であるエンドピース。この部分は少し動かして綿棒が汚れに届きやすくするといい。ただし、力任せは禁物。
爪楊枝でフラッシュフィット
時計の構造は複雑だから綿棒でも届かない場所も多い。さらに細かいところは爪楊枝で汚れをかき出す。ちなみに、爪楊枝の先端を削って細くしておくと隙間の奥まで入って便利。
爪楊枝でボタン回り
プッシュボタンやリューズの根元は、綿棒を使っても汚れが残りやすい場所。ここは爪楊枝を使うのがコツ。
爪楊枝でブレスレット
ブレスレットの裏側部分には窪みや穴が多い。ゴミが溜まったら、爪楊枝でかき出そう。裏蓋の窪みも要注意だ。
ブレスレットに付着したしつこい汚れの除去方法
ロレックスを綺麗に見せたいならケースとブレスレットの状態に気を遣う
腕時計の美観を大きく左右するのがケースとブレスレットの状態。ここが美しいと、ロレックスの魅力がぐんと増して見える。
一方でサビがあると不潔な印象を与えてしまう。特にブレスレットのコマとコマの間と裏蓋の溝は、掃除が難しく拭き取り掃除を怠り、一度汚れが挟まってしまうとなかなか取れない。そのため、毎日さっと拭き取る習慣を身につけたい。
バネ棒を外せるようになれば、セルフメンテナンスの幅がぐっと広がり、ブレスレットの丸洗いやラグの内側を掃除できるようになる。
ブレスレットの隙間は汚れがたまりやすい
基本的には日々、セーム革や専用のクロスで汗や脂を拭き取るよう心掛けよう。ただ、日々の拭き取りを常に行っていても次第にブレスレットの隙間などに汚れが詰まっていってしまうので、定期的にその部分の清掃を行っておこう。
最も綺麗になる方法はケースから取り外して洗剤洗いをすること
もしも自分でブレスレットをケースから取り外すことができるのなら、ブレスだけ洗うという手もある。この方法が最もロレックスを綺麗にする方法だ。
ブレスレットの取り外し方
ブレスレットを取り外すには、バネ棒外しが必要。ポイントは、ケースを支えている側の手の親指。バネ棒を外す瞬間にブレスをズラすように押し込むと上手くいきやすい。最初は難しいが慣れれば簡単なので、何回も練習しよう。作業でラグ付近に傷が付かないよう、セロハンテープなどで保護することも忘れずに。
バネ棒外しの使い方
バネ棒外しとはその名の通りケースとブレスを繋ぎ留めるバネ棒を外す道具。両端はI型とY型に型状が別れており、ラグの仕様によって使い分ける。
2.同様に反対側のバネ棒を外したら、ケースからブレスを取り外せる。バネ棒を落として無くさないよう注意する。
ブレスレットの丸洗い方法
ブレスをケースから取り外したら、水気を気にしなくてよいので、丸洗いできる。やり方は簡単。洗面器に水を溜めて、中性洗剤を水に薄めた液を作り洗う。食器洗い用の洗剤でもOK。やわらかい歯ブラシを使って汚れや脂分を徹底的に落とそう。
もし自宅に超音波洗浄機があれば、それを使った洗浄も有効。手軽に新品同様の綺麗さを取り戻すことができる。
洗った後は水分が残らないように、乾いた布でよく拭き取り、乾かすことが大切だ。水気が残るとサビが発生する原因になるので注意したい。
2.汚れやすいバックルの角や溝部分もブラッシング。こびりついた汚れには爪楊枝で対応。
3.水ですすぎ洗浄成分を落としたら、乾いたタオルで拭き、陽の当たらない場所で乾燥させる。
ブレスレットを外したらケースも念入りに掃除しておこう
他のパーツの場合と同様に、皮脂やホコリなどはクロスと歯ブラシ、爪楊枝を使ってきれいにする。気をつけたいのは、肌に直接触れる裏蓋。汗が原因となって汚れが付着しやすいので丁寧にケアしてほしい。また、裏蓋とケースの境目の隙間もゴミがたまりやすい。
2.裏蓋の溝部分はゴミや黒ずみがよく溜まる。爪楊枝を使ってかき出そう。
3.普段掃除できないラグの内側は汚れの温床部分。ブレスを外した際はぜひともケアを。
風防に付いたしつこい脂汚れの除去法
しつこい脂汚れにはメガネクリーナーを使う
風防はどうしても汗や脂などがすぐ付着してしまうパーツ。少々の汚れならクロスやセーム革、ティッシュなどで拭き取るが、力を入れすぎると傷が入りやすいので注意を。ソフトに円を描くように磨こう。
また、落ちにくい汚れや、認識性を妨げる著しい汚れには市販のメガネクリーナーを使ってみるのもひとつの方法だ。驚くほど綺麗になるし、汚れ防止にもなる。
まとめ
ロレックスは汚れがたまったままにしておくと、美観を損ねるだけでなく、錆や動作不良につながってしまう。せっかく良い時計を持っているのであれば、綺麗な状態をキープしたい。
また、錆や動作不良に陥ると、オーバーホールや修理が必要になる。気になる汚れをしっかり落としておくことでそのような事態を避けることができるので多少面倒でもやっておくと将来後悔しない。